著書「世界中のガン研究から学ぶガン治療のいま」から
ガン細胞は、「進化」する細胞と言ってもおかしくない。
約70兆個の細胞は、寿命が短いものでは「約1日間」、長いものは「4ヶ月間」で細胞分裂をして、古い細胞と新しい細胞とが置き換わっていきます。
ガン細胞は、あろうことか、生体の正常な細胞と異なり、細胞の寿命を決めている遺伝子の酵素を分解するテロメラーゼを産生しています。
そして、半永久的に生体(ヒト)死亡後にも一定の条件下、例えば、培養液の中では条件が揃えば、増殖してガン細胞は生き残っていきます。
私たちの正常な細胞は一定の寿命が来れば、そこでアポトーシスを起こして死んでいくわけですが、ガン細胞は永久的に生き残っていくことができる条件が揃っていると言えます。
これは、正常な細胞より進化した細胞であるとも考えられます。
医療の現場に痛感させられることは、化学療法を行なっている最中に、
「全く治療効果は出ないのに、副作用のみ必ず発現する症例。」
「少し有効に思えたのに、すぐ無効になり、ガン増殖が勢いよく起こる症例。」
こういうものが多数あります。
細胞には、細胞膜といって物質を選択して通過させる機能を持っていますので、化学療法では、抗がん剤を細胞膜に通過させて細胞内に入れ込む必要があります。
上記のような症例の場合、ガン細胞の細胞膜は、正常な細胞の細胞膜より、化学療法剤の通過をさせにくくしていると考えざるを得ない場合があります。
その原因はコレステロールの含有量も高くし、細胞膜の硬化が起こっているようです。
また、ガン細胞内に運良く入り込んだ化学療法剤は、ガン細胞の細胞死を起こすと同時に、その細胞内の内容物をポンプ作用で、細胞の外に送り出してしまうので、ガン細胞がやられる前に周辺の正常な細胞がやられていくという形になるのです。
化学療法剤の1つの特徴として、細胞分裂を繰り返している時には有効ですが、副作用が出てしまうことです。
例えば、毛髪、骨髄の造血器官、精巣の精子の産生、卵巣の卵子の産生、腸の粘膜などが強く影響を受ける状態になります。
また、少し治療効果が認められたにも関わらず、無効になる場合は、ガン細胞自体がさらに分裂を繰り返している間に、化学療法に対抗して耐性力を持ったことが考えられます。
治療に使用される放射線、化学療法剤は強力な発がん物質でもあるわけです。
これは、ある種の「進化」を生体内でガン細胞が遂げているように見れます。
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