著書「産婦人科で聞きにくい妊娠の医学」から
避妊手術について
Q・・・私は30歳ですが、現在子供が3人います。
避妊手術を受けたいと思いますが、膣からもできると聞きました。
説明をお願いします。
A・・・避妊の方法としては、ピルの服用、コンドームの使用、リングの挿入、婦人に行う卵管結紮(けっさつ)手術、男性に行うパイプカットがあります。
このうちピルの服用、コンドームの使用、リングなどは一時的な避妊の方法で、子供が産みたい時はこれらのやり方を中止すれば可能です。
ただし、それぞれのパーセントは異なりますが、確実度はいずれも100%ではありません。
これらに比べ男性のパイプカット、婦人の卵管結紮手術は再妊娠率がはるかに低いと言われます。
逆に考えれば、何らかの事情で妊娠の希望が生じた場合になっても、妊娠を可能にするための再手術は非常に困難です。
質問の膣式卵管結紮術は、お腹に傷をつけずに膣の側より卵管結紮術を行うものです。
腹式(お腹の側より手術する)卵管結紮術と同様に不妊手術が行えます。
もちろん全ての婦人が可能ではなく、お腹の中に癒着がある人は不可能です。
膣式の卵管結紮術後の入院期間も約2日間と短く、全体の費用も安く上がります。
安静期間も短いため、体に対する負担も軽度です。
方法は膣の天井にあたる部分より腹腔内にはいり、両側の卵管を膣内に出して結紮術を行います。
時間は早い人だと20分ぐらいで終わります。
麻酔は腰麻といって腰から下に有効な麻酔を用います。
もちろんこの手術によって更年期障害がひどくなるとか、肥満が起こりやすくなるとか全くありませんのでご安心ください。
最近は、腹腔鏡下にも手術を行います。
条例により異なりますので、主治医と良く相談してください。
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