著書「産婦人科で聞きにくい妊娠の医学」から
高年初産婦は帝王切開?
Q・・・30歳を過ぎて初めて妊娠しました。
結婚が遅かったためですが、高年初産婦のため、帝王切開になるだろうと言われ、心配しています。
A・・・30歳以上の初産婦を日本産婦人科学会では、高年初産婦と呼ぶよう決めています。
20歳代でお産をする人に比べ、30歳代で初めてお産をする人は産道が軟化しにくく、分娩時間も長引くことが多々あります。
産道の裂傷などの合併症も多くなります。
妊娠中も流産、早産を起こしやすく、妊娠中毒症の発生頻度も多くなります。
妊娠中毒症に伴う胎盤の働きも低下して、胎児の発育も不良となりやすくなります。
ダウン症候群に代表される染色体異常児の発生頻度も高くなります。
しかし、全ての高年初産婦の人が異常分娩となるわけではありません。
妊娠、分娩時の異常発生の頻度(リスクという言い方をします)が、少し上昇してくるという意味です。
したがって、高年初産婦は、次のような事柄に注意する必要があります。
・妊娠中は過労を避け、安静を守ってください。
・妊娠中毒症の発生も考慮して、過食をさけてビタミン摂取を十分に行い、自己の栄養管理に努めてください。
・特に水分、塩分の摂取過多にはご注意を。
妊娠中の異常の早期発見のため、妊婦検診は必ず受け、異常な場合も早めに受診してください。
分娩時は、産道を軟らかくする薬物の頻度も少し高くなりますが、高年初産婦という理由だけで帝王切開となることはありません。
自信を持ってこれからの妊娠生活を送られ、分娩されることです。
伝えたい先進医療がある。 ソーシャルイノベーター 前進夢の特設サイト
新型出生前診断などの生殖医療とガン治療について先進医療の正しい知識と情報をお届けする特設サイト
0コメント