著書「女性のためのメディカルブック」から
高プロラクチン血症について
Q・・・生理がないため妊娠かと思い受診しました。
妊娠ではなく高プロラクチン血症と言われました。
精神科へも受診していたため、それが原因らしいと言われました。
治療を受ければ生理が戻りますか。
A・・・生理が日常来ていたのに突然無月経の状況となる場合はもちろん妊娠の場合があります。
しかし、あなたのように卵巣が機能低下を生じたために無月経になることがあります。
卵巣の機能低下の原因としては、卵巣自体に原因がある場合はもちろん、視床下部、脳下垂体といった卵巣をコントロールしているより高次のホルモン器官に異常がある場合があります。
また、この高プロラクチン血症のようにプロラクチンというホルモンのために卵巣機能が抑制されることがあります。
プロラクチンは乳汁分泌のためのホルモンですが、分娩後でもないのに脳下垂体前葉から異常に多く分泌されると生理が飛ぶことになります。
あなたのような症例は、日常たくさんお目にかかります。
血中のプロラクチンは正常では20ng/ml以上となることはありません。
40ng/ml以上の場合は、脳下垂体の腫瘍の有無の検索も必要になります。
そのほかに、抗精神薬による副作用が原因のものもありますし、原因不明の突発性のものもあります。
症状としては無月経で乳汁漏出を呈する人もいます。
治療はプロモクリプチンの内服を行い、もちろん下垂体腫瘍が原因の場合には手術を受ける必要のある場合もあります。
プロモクリプチン内服は吐き気がある時もありますので就寝時に内服するのが良いと思います。
内服しながらプロラクチンが正常値(15ng/ml以下)となるのを待ちます。
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