著書「女性のためのメディカルブック」から
性交痛の原因と治療について
Q・・・結婚5年目で1回分娩しましたが、分娩後ずっと性交痛があり困っています。
A・・・性交痛の原因は、婦人科的なもの、泌尿器科的なものだけでなく心理的なものもあります。
性交痛のため外来受診される患者さんの約40%に婦人科的な異常、または泌尿器科的な異常を認めますが約60%には特に異常を認めず、心理的な問題によるものと考えられます。
心理的な問題の解決のためには、男女間の社会的、性的トラブルの解決も必要となります。
ここでは特に婦人科的なものを中心に述べてみたいと思います。
まず、性交痛の原因としては、外陰部の炎症、バルトリン腺炎、種々の原因による膣炎、支給付属器炎、骨盤腹膜炎などの炎症があるための性交痛があります。
処女膜強靭、膣中隔などの先天的な異常、閉経後、または手術により両側卵巣摘出および放射線治療後の卵巣機能低下による分泌物不足を生じる性交痛もあります。
子宮内膜症や子宮後屈などに伴う骨盤内うっ血による場合もあります。
この相談の場合は、分娩時の会陰側切開の瘢痕(はんこん)によるものと思います。
これは手術的に療痕部の摘出をされる方が良いと考えられます。
もちろん次回のお産の時でも構いません。
そのほか、意外に多いものに慢性便秘や尿道炎、尿道カルンケルが性交痛の原因となっている場合があります。
高齢者や逆に若年者の場合の分泌液不足に対しては、市販されている潤滑用剤の使用が良いでしょう。
病院でも処方してもらえます。
いずれの場合も治療で原因を除去すれば痛みは消失しますので、諦めず治療することが大切です。
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