著書「女性のためのメディカルブック」から
子宮内膜症について
Q・・・20歳頃より強い月経痛に困っていました。
最近性交の時の痛みもひどくなり、受診したところ子宮内膜症と言われました。
子宮内膜症は妊娠したら良くなるとも言われましたが、妊娠もしません。
どうしてでしょうか。
A・・・子宮内膜症とは、子宮腔内にある子宮内膜の組織が何らかの原因で本来あるべき以外の場所で発育増殖をし月経周期に応じた月経血の産生をします。
そのため子宮内膜の増殖により強度の癒着(ゆちゃく)が生じます。
正常の子宮内膜は、卵巣からのホルモンに反応し生理を生じます。
しかし、他の骨盤内に散らばった子宮内膜も同様に増殖、出血を繰り返し、これが生理痛の原因となります。
また、癒着は性交痛、下腹部痛、腰痛の原因となると同時に不妊の原因ともなります。
子宮内膜症は骨盤内のどこにでも発生しますが、特に卵巣、子宮外膜、ダグラス氏窩(か)=子宮と直腸の間、子宮後側の腹膜などに発生します。
治療法は、薬物療法と手術療法があり、その併用療法もあります。
その併用療法というのはホルモン療法のことで約6ヶ月間行うこともあります。
臨床症状かま軽く妊娠希望の婦人や若い未婚婦人の場合は手術療法の前後に行います。
手術療法は症状が強く、お腹にしこり、癒着が激しい場合、卵巣が腫大し、のう腫状変化を認める場合に行います。
ホルモン療法、手術療法後には、半年で50%、1年以内に80%、2年で約100%の婦人が妊娠に至ります。
子宮内膜症の治療後1年以上経過しても妊娠しない場合は再治療が必要と言えます。
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