子宮筋腫

著書「女性のためのメディカルブック」から

子宮筋腫について

Q・・・子宮筋腫を1年前から指摘されていましたが、大きくなり手術を受けることになりました。

家庭の事情で子供の夏休みに受けたいと思いますが、それまで大きくなるのを止める薬があると聞きました。

どのようにするのでしょうか。

副作用も含めて教えてください。


A・・・子宮筋腫の治療には、経過観察と手術療法がありましたが、最近では子宮筋腫を縮小させたり、症状の改善を図る目的で薬物を用いた治療が行われるようになってきました。

このような薬物による治療を行うにあたっては、当然のこととして悪性疾患との鑑別をしっかりとする必要があります。

特に充実性卵腫瘍、子宮肉腫などの悪性腫瘍を除外することが大切となります。

薬物の投与の目的は、貧血などの症状の改善、手術の回避、子宮の温存、あるいは手術までの待機としての術前治療などが考えられます。

しかし、現時点では薬物治療で筋腫自体を消失させることは不可能で、薬物治療は一時的な治療法であることを確認した上で、計画的に行うことが必要です。

実際には、月経のある人では月経開始1、2日目からゴナドトロピン放出ホルモンの誘導体である酢酸ブセレリンを1日3回両側鼻腔内に噴霧し、約4ヶ月連続投与します。

本薬剤の副作用は、エストロゲン不足状態の持続による骨塩量の減少と、更年期様症状(特にほてり)ですが、骨塩量の減少に関しては、この程度の使用期間ではほとんど問題がありません。

ただ、投薬を中止すると子宮は、元の大きさに戻っていくので、終了後の経過観察を十分にすることが大事です。

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