新型出生前診断は、日本だけでなく諸外国でも行われています。
日本で行う新型出生前診断で、採血をしてその検体を送る検査機関の1つにイギリスがあります。
今回は、イギリスで新型出生前診断を受けた日本の夫婦についてお話ししましょう。
著書「新型出生前診断の全てが分かる本」から。
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イギリスで羊水検査を受けられた後、日本に帰国した患者Aさんと、山村先生は外来で話しを聞くことが出来ました。
この患者さんは、先生にその検査で異常がなかったということを、聞いてとても安心したと。
異常が3つともなかった、全て陰性だったと、一瞬安堵感が湧いてしまったと。
性別もついでに分かり、XYで男の子だったんですよ。と言われていましたが、検査をして安全を買った。
要は、20万円+交通費ぐらいかかったのだけど、わざわざイギリスに行って検査を受けて、安心できた。
ということを盛んに強調されていました。
一緒に来院されていたご主人も、非常に安心ができて、良かったと。
悶々として心配をしなくて良かったと。
この患者さんも35歳なんですけども、非常に心配をされていたみたいでした。
検査がマイナスだったことを知って、非常に安心をして、前向きに妊婦の生活を終えてこのクリニックでお産もされました。
安心して産めたんだということで、高齢出産を迎える知人には、NIPTを受けたほうが良いと勧めてあげているとのことでした。
もちろん、知らない人から聞かれた場合でも勧めてあげようと思っている。ということを非常に力説されていました。
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陰性だった場合は、何事にも変えられないほどの安心を感じると思います。
この夫婦は、染色体異常があるかどうか約10ヶ月間不安に思うより、新型出生前診断を受けて早く心の準備をしたいと思っていたのです。
やはり、新型出生前診断は「安心した妊娠生活」を送るためには必要です。
その中で、残念ながら検査の結果が陽性だった場合は、
産むか産まないかの選択が待っています。
しかし、医療というのは検査で陽性であれば、それに対して何らかの治療を行うことができます。
ただ、胎児の治療というのは、近年研究が進んでおり、まだ一般的には普及していないのが現状です。
この状態では、陽性だった場合、中絶を考えることも責められることではないと思うのです。
今、胎児の治療として、遺伝子治療が進んでいます。
染色体異常を持つ遺伝子をに対して、母親の血液に遺伝子を放り込み、
胎児の染色体の治療を行う研究がされています。
こうした胎児の遺伝子治療が行えるようになれば、
例え陽性だとしても、お腹にいる中で、治療をしてもらいたいと思い、お産に持っていきたいと考える夫婦は増えると思います。
私たちが、健康診断によって高血圧症が疑われた場合、
病院を受診して、確定診断をしてもらいます。
そして、高血圧症に対する治療が始まるわけです。
今、胎児の染色体異常に関しては、この流れを作っている段階です。
その中で、
「治療がまだ確立していない分野の検査をするのはいかがなものか?」
と、新型出生前診断に対して批判をしています。
ですが、医療の世界では難病と言われるものがあり、現在のところ治療法が見つかっていないものもたくさんあります。
つまり、新型出生前診断に対する批判は、
「治療法がまだ確立されていない難病なのに、難病だと診断するな!」
と言っていることと同じになってしまいます。
これでは、難病と診断された方の気持ちはどうでしょうか?
また、新型出生前診断を希望する妊婦さんの気持ちはどうでしょうか?
それこそが、問題ではないでしょうか?
こう考えると、医療というものは
まず病気を発見し、そして研究が進み、病気を治療する方法が出来てくるのです。
この流れから、倫理観という言葉だけで、新型出生前診断を捻じ曲げられることが起こると、
今後、胎児の遺伝子治療の大きな進展に繋がらないのです。
いつまでも、検査で陽性だったら産むか産まないかの選択を強いられる状況が続くということです。
これでは、高齢出産も減り、さらに少子化が進むと思うのです。
人には、それぞれの生活や人生がありますから、一人ひとりの考えや価値観が変わってくるのも当然のことです。
だからこそ、お腹の子どもの情報をもっと自由に知って良いのではないか?
知ることで、私たちは安心したり、準備をすることができるのではないか?
そう思うのです。
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