NIPT後の医師の説明

ダウン症候群が濃厚(21トリソミー陽性)。

18トリソミー症候群の疑いはナシ。

13トリソミーの疑いはナシ。

新型出生前診断で夫婦に突き付けられた検査結果の一例です。

この時、検査を行った医師からはどのような話を受けるのでしょうか?

拙著「新型出生前診断の全てがわかる本」から
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診察が完了した後に、山村先生は「金子さん、今回の出生前検査では赤ちゃんにダウン症候群の疑いが濃厚であるという検査が出たのだけれども、これから妊娠週数が進んで羊水の採取を行って羊水検査を行って最終的に決断すればいいですよ。

今のところはこれからの動きの説明をしましょう。」と、話しました。


基本的にはこういうふうにしてNIPTで異常が出た場合に、これからの経過を見ながら赤ちゃんに大きな異常が起こってこないかどうか検診をするたびに超音波検査を進めていきます。


「それと同時に羊水の検査をぜひ、確定診断として受けていただきたい。


羊水の検査はだいたい妊娠5ヶ月ないし6ヶ月ぐらいに入った時点で行うことになるので、そこで確定診断を行なって最終的な判断になることになります。

ただし、もしその結果によって中絶を希望されることになってくると日本では母体保護法の関係で遅くとも21週で答えを出さなければならないので、あまり時間がないから、少し早めて妊娠16週前後で羊水の検査を行なっていきたいと思います。

妊娠経過の途中にいろんな異常があれば、速やかにそのことを説明しますので、そのことも参考にしながら決めていただければ結構かと思います。」
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新型出生前診断を受けて即中絶となるケースは、適切な妊娠週数、タイミングで検査を受けた場合は起こりにくいものです。

陽性が出た場合、超音波検査などで異常がないか確認しながら中絶が可能な妊娠21週まで考える時間があります。

また、羊水検査を受けて染色体異常かどうか確定診断を受けることも出来ます。

問題となるのは、新型出生前診断が妊婦さんの望むタイミングで受けられないこと。

または、家族やご主人に反対されて、それでも受けたいと滑り込むようにして検査を受けたこと。

この2つは、妊娠21週までの時間がごくわずかの状態になりますし、羊水検査を受けて結果を待つ時間を含めると、答えを出すまでに時間がありません。

新型出生前診断は、妊娠10週前後から受けられるという最大のメリットがあります。

それだけ、考える時間がある。

考える時間がないと、人間は焦って安易に直感に頼った選択をしてしまうものです。

これが、安易な中絶に繋がる。

つまり、新型出生前診断が安易な中絶を促しているというよりかは、

受けるべきタイミングで受けられなかったことによる弊害が問題と考えた方が良いと思います。

検査の結果を受けて、夫婦で話し合って、考えて、考えて、それでも考えて、結論を出すことができる。

どのような決断であれ、しっかり考える時間があれば、安易な中絶は無くなると思います。

とは言っても、最後の最後まで悩みに悩み抜く夫婦も当然ながら居ます。

近年では、新型出生前診断などを受けて陰性が分かった時点で妊娠の報告をする方もおられるようです。

新型出生前診断を受けることに罪意識を持っていることは、良い状態ではありません。

夫婦の子は、夫婦で責任を持って考える。

妊婦さんは、お腹の子どもと自分の体に責任を持って過ごす。

責任を持って、検査を希望するのであれば、それは良いことなのです。

どんな結論に至ろうとも、悩んで悩んでそして結論を出せば、誰も批判なんて出来るはずがありません。

命と向き合い、夫婦と向き合い、お腹の子と向き合う。

新型出生前診断を希望する妊婦さんや夫婦は、お腹の子どものことを大切に考えている方が多い気もします。

その子を思う気持ちが否定されること、社会的に議論が交わされていること。

希望する医療が受けにくくなっている、そんな今の時代のように感じるのです。

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