ガンの温泉療法は、効果があるのか?

巷に溢れる「ガンの民間療法」には、医師から見て「科学的根拠がない」ものもたくさんあります。

しかしながら、現代の医療を持ってもガン治療は難航するものです。

今回は、温泉療法がガンに本当に効くのか?についてお話ししましょう。

著書「ガンのオーダーメイド医療」から
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温熱療法は、「温泉に入るのと同じなんでしょ?」と聞かれますが、温泉に入るのとは違うんですね。

このサーモトロンという機械にかけて、ガンの病巣に上と下から電極を当てて、腫瘍の部分だけ42℃くらいになるわけです。

お風呂に入るときは、首から下が浸かっているだけだから、全体が42℃くらいになりますが、腫瘍のところはそこまで温度が上がらないのです。

どうしてかというと、皮膚の表面はお湯の温度に近いのですが、中にまで温度が届きません。

そして、風呂に入っている間も息をして心臓は動いているので、どんどん血液は循環します。

その血液の温度は、その時点で下がるので、必ずしも身体全体が42℃になってあるわけではありません。

コタツに入るということも、同じく違うので治療には温熱治療にはならないと考えてください。

ですから、温熱治療は腫瘍の部分だけ温度を上げる、腫瘍の部分だけ温度が上がらないといけないのです。

こういう治療というのは、ガンの周りに栄養血管というのが伸びてきて、体から血液中の栄養をもらってガンはどんどん大きくなっていくわけですが、その血管は新しく出来た血管なので、栄養を運ぶだけに作られているので、伸び縮みができません。

そのため、熱の放出というのが出来ないのです。

一定量の時間をかけて温めることで、十分温度を上げて保つことが出来ます。

ですから、その栄養血管は常に熱を帯びた状態になります。

そういった理由で、ガンにだけ熱を当てていく治療をしていきます。

これが、温熱治療なのです。
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分かっていただけたと思いますが、ガン細胞の特性を考えると、温泉療法でガンが消えるとは言い切れません。

実際には、温泉療法でガン細胞が無くなったという方もおられるようですが、

それが、本当に温泉療法のみで改善したのか?は分からないところです。

食事にも要因があるかもしれませんし、精神的な面も十分考えられます。

〇〇をすればガンが消える。

というのは、ほとんどの情報がウソだと考えた方が、あなたの命を守ることにつながるでしょう。

また、温泉療法では、全身の血液循環が良くなり、ガン細胞が血液を介して全身に波及することも考えられます。

全身転移です。

こうしたデメリットもありますから、ガンができた部位やその進行状況など多角的に判断して行わなければなりません。

あなたの命を守るのは、民間療法でもお医者さんでもありません。

あなた自身が治療を選択して、少しでも長く楽しく生活していくべきなのです。

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