日本医学会の認定を受けずに新型出生前診断の検査を行うクリニックは今後も増え続けます。
クリニックの利益になることも事実です。
そうして、多くの妊婦さんが新型出生前診断を受けられるようになれば、検査費用は下がり、希望する妊婦さんの不自由は減っていきます。
新型出生前診断において、医師においても意見が大きく分かれます。
その中で、私が共感している意見として
「新型出生前診断において、遺伝カウンセリングに時間をかけるべきだという考えは、確定診断ではない検査には、そぐわない。」があります。
アメリカでは、遺伝カウンセリングは新型出生前診断を受けて陽性と分かった時点で行っているようです。
また、社会的にも障害者雇用が充実していて、会社で健常者と同じような給与をもらって働くことができています。
日本での新型出生前診断は、認定施設では夫婦揃ってカウンセリングに来てもらい長時間説明を受けること、
それも、未だに各都道府県全てに新型出生前診断の認定施設があるわけではないですから、
忙しい現代社会のニーズにマッチしていないのです。
検査を受けるためのハードルばかりが高くなり、そのため妊婦さんは新型出生前診断を思うようなタイミングで受けられない。
そして、検査が後ろにズレ込み、中絶期限である妊娠21週までしっかりと考える時間がない。
これが、最大の問題です。
安易な中絶を防ぐために、ハードルを上げることは返って希望者の負担を増やし、結果として中絶を招いていると思います。
ですから、高齢で妊娠が分かったら、すぐに新型出生前診断を受けるかどうかを考え、受けるのであれば妊娠10週前後にあたる時期に合わせて予約を取る。
そして、陰性であれば安心してお産に持っていけば良い。
仮に陽性だとしても、妊娠21週までしっかりと考える時間がありますから、考えていけば良いのです。
受けるべきタイミングで受け、決断するタイミングで決断をする。
この流れをキチンと出来ないから、安易な中絶を促す検査だと言われているのだと思います。
遺伝子の検査が進み、さらに広がることで、病気を治すことにもつながります。
進歩する医療や検査を頭ごなしに批判し、受け入れないことは、
日本が、どんどん医療後進国になるだけなのです。
現に新型出生前診断などの遺伝子検査は、主に海外の検査機関が国際特許を取得し、使用料が発生しています。
このため、遺伝子検査を日本で受ける場合、国際輸送費と特許料などの費用がかかり、高額になります。
また、検査を受ける妊婦さんが少ない場合、採取した血液を輸送するまでに時間がかかります。
1つの検体を何度も送るより、ある程度まとめて輸送した方がコストも抑えられるからです。
つまり、スピーディーかつ信頼できる検査機関を持つ施設で新型出生前診断が受けられる体制作りと、お住いの地域の医療機関で採血できる医療提携が必要だと思います。
例えば、妊婦さんが検査を受けるための費用を軽減するためには、
提携していないクリニックに妊婦さんが分散するより、提携しているクリニックで検査を行い、血液を輸送する際はまとめて送ることができれば、効率化できるので「検査費用が高いから諦める」と言った夫婦を減らすことができます。
やはり、希望する検査や治療を受けられないことは、とても不幸なことです。
これが、真の隠れた医療格差なのだと。
安価で検査ができるようになれば、それだけ安易に受ける方が増え、選択的中絶が増えるのではないか?
このような声も聞こえて来そうです。
しかしながら、こうした議論の中に、「どうすれば、選択的中絶を減らせるのか?」という視点が全くありません。
例えば、社会的サポートを充実させるといいますが、
どのように充実させるのか?全くもってハッキリしていません。
言論の自由がありますから、どのような考えも受け止めますが、
大切なのは、その先にある「だから、どうするのか?」なのです。
今、新型出生前診断を実施しているある施設では、全国で提携先を増やし、希望する妊婦さんが比較的負担をかけずに検査を受けることができる体制を作ろうと取り組んでいます。
こうして、遺伝子の検査が広まることで、その先にある遺伝子治療への道が切り開かれるのです。
医療は、常に病気を見つけ、それを治すことが目的であり、人命を救うためにあります。
社会として、どうしていくのか?という議論は平行線のままですから、
医療が進歩することで、社会を変えていく。
これが今の日本において大切な考え方では無いでしょうか?
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