著書「新型出生前診断の全てがわかる本」から
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金子さんのご主人はこのようにお話しされました。
「第一子がダウン症候群であるので、その子供の将来の生活の支えになる子供が欲しいと思っていました。
そのことが今回の妊娠の大きな理由でした。
しかし、この子供が、今おなかにいる胎児が、ダウン症候群である。
その可能性があるのであれば、羊水検査を行ってその結果が確定をしたら、中絶を行いたい。」
というようなお話しを話されていました。
「ただ、遺伝子に異常がある=中絶行為を行なっていくとの考え方は、やはりよく考えて行わなければならないので、そこのところは十分に考えた上での結論を出していけばいいのではないか。」
というようにしてその日の診察は終わりになりました。
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命に対して、人それぞれ価値観があります。
どんな障害を持っていても産むべきだ。
子どもを障害で苦しませたくない。
どの考えも間違ってはいないのです。
それは、産まれること=ゴール。
生き続けて死ぬこと=ゴール。
この違いだけです。
人によって目標も違えば、生きる意味も違います。
どの選択も、間違ってはいないのです。
新型出生前診断について、特に価値観や倫理観というものだけで議論が広がっています。
障がいを持つ方を勇気付ける、「みんな違ってみんな良い。」という標語のようなものは、
価値観や倫理観に捉われなくても良いとも考えることができます。
そこで、「産みたくても産めない」
「産みたくないけど、産まないといけない」
こうした意図反することが起こることが、最大の問題です。
障がいを持っていても、安心して産めて、社会的サポートもしっかり受けられる日本の体制が必要ですし、
産まないという選択に対しての一方的な批判、冷ややかな視線をなくすことが大切なのです。
しかし、それ以上に考えなければならないこと。
それは、新型出生前診断の未来です。
今、遺伝子治療の研究が進み、新型出生前診断で異常が見つかった場合、お腹の中にいる時点で治療が出来てくる。
医療は、常に病気を治すことが目的ですから、この先さらに進歩していきます。
新型出生前診断は、私たちが人間ドックを行う感覚で受ける、そんな時代が待っています。
医療が多くの国民のために存在し続けるためには、昔の倫理観や今の時代にそぐわない倫理観を見直すことです。
おそらく、新型出生前診断を受けて安易な中絶が為されていると言われるのは、
検査について正確に把握していなかったり、結果をどのように受け取るのか分かっていないことが原因です。
といっても、どの考えが正しいというものはありません。
ですから、検査を希望する方は、事前にしっかり調べておくこと。
夫婦、家族で相談して答えを出していく。
これが大切なことで、必要不可欠なことなのです。
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