新型出生前診断を受けたい。
そう思っても、認定施設となれば条件がありますし、なんといってもお住いの地域になかったりするものです。
では今、新型出生前診断を行なっている施設の状況を説明しておきます。
著書「新型出生前診断の全てが分かる本」から
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日本産婦人科医学会のNIPTに関する声明の文章を簡単にまとめると、
「簡単に検査を受けない。よく考えて、それから検査を受ける前にも考えて受ける。」
というようなことが記載されているようです。
加えて、「遺伝カウンセリングで十分に対応して欲しい」
ということも書いてあります。
ただし、遺伝カウンセリングを受ける人というのは、非常に数が少ないのが現状です。
忙しい時間を割いて、患者さんの知りたいことをしっかり説明する遺伝カウンセリングは患者さんの負担が大きいと感じます。
認定施設と言われている病院ですが、東京都には数カ所あるので実際の不便性を感じないと思いますが、その他の県ではとても数が少ないのです。
例えば、中国地方だと山口県、広島県、岡山県、ほとんどが一ヶ所ないし二ヶ所で、とても数が少ない。
そうすると、相談に行くまでで、かなりの遠距離になります。
夫婦で時間を割いて訪れて、相談をしてというのは現実的に難しいものがかなりあるのです。
次に、臨床研究の施設についてですが、NIPTコンソーシアム研究施設というのが、80ぐらいあります。
そして全国に5ヶ所だけが、独立研究になっています。
施設の研究というのは、NIPTが安全的に行われているか。
分娩等が行われた後、患者さんがどうやって過ごされているのかの経過を追跡していくために存在しています。
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認定施設とされているのは、特に大学病院が多いと思います。
大学病院と聞くと、先進医療など高度な医療が受けられますが、その分「診察の待ち時間」「予約待ち」はザラです。
予約が取れずにそうこうしている間に、お腹の子どもはどんどん成長するわけで、検査を受けたくても受けられない状況は、心理的な負担が強く出ます。
そこで、無認定施設がちらほらと出てきました。
新型出生前診断は、採血をして検査機関に送り、その結果を郵送するので、何科の先生でも行えてしまいます。
これが良いか?悪いか?は置いておき、
人の命を扱っている、医師同士で協力していくべきとも考えられます。
妊娠、出産に関しては、産婦人科が専門ですが、
この新型出生前診断は、命を直接的に扱いますので、産婦人科だけでなく、他の科の先生も関与する方が良いと思うのです。
こうした中で、認定施設で受ける方は減っているにも関わらず、新型出生前診断を受検した方は、年々増えています。
やはり、新型出生前診断を受けたい気持ち。
それと、それが近くで受けられる環境。
これを妊婦さん、ご主人は望んでおられるようです。
ある先生は、新型出生前診断は、私たちが血圧がどのくらい高いのか知ることと同じで、まずはお腹の子どもの情報を自由に知ることが大切なのではないか。
と言っています。
現場で働く医師、それと検査を受ける妊婦さんたち。
全ての人は、命を粗末に扱ってはいません。
しかし、高齢出産ということで、若くして妊娠する方より様々な不安があると思うのです。
妊娠に至るまでに、ご自身が何か障がいを持ったり、発見されたりするものです。
また、生活習慣やワークライフバランスなど子供がすくすくとお腹の中で成長する環境が整っていない場合もあります。
やはり、以前と違って、生活習慣が不規則で乱れがちな私たちだからこそ、
お腹の子どもの情報を知って、安心して、出産に持っていきたいと思うのかもしれません。
私たちが、健康でありたいと思うように、我が子だからこそ健康でいて欲しいという願いなのだと思います。
ただ、障がいという1つのピースを取って産むか産まないかの選択は良くありません。
障がい=健康ではない。ということは無いからです。
ですから、超音波検査などで特別な異常がなければ、お産に持って行くことも素晴らしい考えの1つだと思います。
また、異常がなくても、検査の結果と羊水検査などの確定診断で産まないという選択もそれはそれで良いと思うのです。
やはり、夫婦がお腹の子どもの責任を持って、そして考えて選択していく。
これが大切なことではないでしょうか?
世の中には、出生前診断を受けさせない環境が必要だとか、
中絶することは、どんな理由でもあってはならない。
という意見もあります。
それは、半分正しくて半分間違いなのです。
こうした検査を希望する妊婦さん、夫婦の気持ちが全く反映されていないと思うのです。
社会的サポートが充実したからといって、中絶が無くなるわけではありません。
少しでも減らすことはできると思います。
ただ、皆が皆金銭的な問題、生活的な問題があるから中絶をするとも限りません。
世界では、地位と名誉、経済力が充実していても自殺を選択する方もいるわけです。
ですから、どんな選択にしても、その選択のための環境を整えること、そして検査を希望する方に寄り添った情報がもっと発信されなければならないのです。
最悪のケースを防ぐこと。
それは、全て「何らかの情報」で始まっていくものです。
ネット社会と同じように、情報をどうやって扱うのか?取捨選択していくのか?
ここが大切で、安易な考えや偏った考えは、情報を上手く扱っていないだけなのです。
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